治療法
【アレルギー性鼻炎の治療法】
アレルギー抗原を除去したり、手術をしたりして治療する
アレルギー性鼻炎の治療では、「抗原の除去」「薬物療法」「減感作療法」「手術」が一般的です。どの治療法をとるかは、患者の状態や希望、医師の判断によって異なります。
治療の目標は、①症状を軽症に抑えて日常生活にあまり支障がないようにすること②持続的に症状を安定させること③抗原と接触してもアレルギー反応が軽度であること、の3つです。
抗原対策
抗原の対策では、身の回りからできるだけアレルギーの原因となる抗原をなくすように努めます。掃除、マスクの着用、うがい、花粉症では外出後に衣服をよくはたくなどがこれにあたります。
| 抗原 | 対処法 |
| 花粉 | 花粉情報をできるだけ入手し、花粉が多い時期は窓を閉めて外出を控えてよく部屋の掃除をするようにします。外出時はマスク、メガネを使い、花粉がくっつきやすい衣類の着用を控えます。帰ってきたら髪や衣服を払い、うがい、洗顔、鼻をかみます。 |
| ハウスダスト | 掃除機はできれば排気循環式の掃除機を使います。ソファーやカーペット、畳はできるだけやめて、室内の湿度を50%、温度を20~25℃に保ちます。 |
| ペット | 飼うのをやめるのが一番です。飼うにしても野外で飼うのがいいでしょう。 |
薬による治療
薬による治療には、よくステロイド薬が用いられます。また、抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬なども一般的です。そのほか、症状に応じて他の薬も使います。処方される薬は、患者の状態によって異なります。なお、薬を使用する際は、しっかりと副作用についても知っておくようにしましょう。一般的には、以下のような薬が組み合わせて用いられます。
| 薬の種類 | 特徴 |
| 抗ヒスタミン薬 | アレルギー反応を引き起こすヒスタミンを抑える薬です。主に軽症、中等症の方に用いられます。薬によって、眠気、胃腸障害、口の渇き、頭痛といった副作用があります。 |
| 抗ロイコトリエン薬 | アレルギー反応を引き起こすロイコトリエンを抑える薬です。効果が現れるまでは数週間かかります。副作用としては、腹痛や下痢、吐き気、肝機能障害などが現れることがあります。 |
| 抗プロスダグランジンD2・トロンボキサンA2薬 | 鼻づまりを解消する薬です。効果がでるまで数週間を要します。副作用として腹痛、頭痛、肝機能障害、出血傾向などが現れることがあります。 |
| ケミカルメディエーター遊離抑制薬 | ケミカルメディエーターと呼ばれるアレルギー反応を引き起こす化学伝達物質を抑える薬です。効果が現れるまでは1~2週間かかります。他の薬との併用で症状が安定してきたときの維持療法として用いられることがあります。 |
| ステロイド | 抗炎症作用がある薬です。鼻に直接噴きつけるタイプが一般的です。効果がすぐに現れ、くしゃみ、鼻水、鼻づまりに効果があります。ただ、長期間にわたる投与はあまりよくないとされています。噴きつけるタイプで効果がないときは、内服薬(飲み薬)を用いることもあります。 |
| 抗コリン薬 | 水っぽい鼻汁に効果があります。点鼻薬として用いられます。 |
| 自律神経作用薬 | 鼻粘膜のうっ血に効果があり、鼻づまりを解消します。続けて使うと効果が薄れ、かえって鼻づまりをひどくすることがありますので、一定期間を使ったら休薬するほうがよいでしょう。 |
減感作療法
減感作療法は、抗原のエキスを何度も少量ずつ繰り返し注射することで、アレルギー反応に対して体の過剰な反応がおこらないように慣らしていき、アレルギー反応おさえていく治療法です。体質改善を図る治療法で、薬の量を減らしながら完治を目指します。1週間に1、2回注射を行い、半年~3年程度続けます。
手術
薬物治療だけでは改善がみられない場合に行われることがあります。手術では、鼻粘膜の切除やレーザー焼灼術などを行います。代表的な手術の方法は以下の通りです。
| 手術の種類 | 方法 |
| レーザー手術 | 鼻粘膜の表面をレーザーで焼灼します。小児にも可能で、手術の時間は短く、日帰りで行えることが特徴です。ただ、高度の鼻中隔彎曲症があるときは、十分な治療ができないことがあるようです。 |
| 電気凝固法 | 鼻の粘膜に針の電極を刺して電気を通す方法です。麻酔下で行われます。一般的によく行われる方法です。 |
| 80%トリクロール酢酸塗布 | 薬を使って粘膜を腐蝕させる方法です。 |
| 下鼻甲介粘膜切除術 | アレルギー反応で腫れ上がった下鼻甲介粘膜を切除する方法です。 |
| 粘膜下下鼻甲介骨切除術 | 腫れ上がった下鼻甲介粘膜の下の骨を切除する方法です。 |
| 内視鏡下後鼻神経切断術 | 神経を内視鏡下で切断し、頑固な鼻汁を改善する方法です。基本的に全身麻酔のもとで行われます。手術の時間は30~40分程度で、1週間程度の入院が必要です。 |
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